児童虐待等について
ABOUT CHILD ABOUSE ETC.
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貧困の定義には「相対的貧困」と「絶対的貧困」の二種類があります。
私たちの実質所得は、1990年代末にピークを迎えた後には下落を続け、現在は30年前の水準に戻っています。一方で、相対的貧困率は着実に伸び続け、現在一人あたりの等価可処分所得(家計所得を家計人数の平方根で割ったもの)が110万円以下の貧困家庭は16%となっています。特に貧困率が深刻なのは母子家庭で、3分の2の母子家庭では世帯収入が300万円以下です。
2014年のOECDのまとめでは、日本の子どもの貧困率は、先進国34ヶ国中10番目に高い数字でした。
日本国内では、厚生労働省が2014年にまとめた報告書によると、日本の子ども(17歳以下)の相対的貧困率は16.3%(2012年)でした。これは、日本の子どもの約6人に1人が貧困状態にあることを示しています。
「子どもの貧困」の問題は、もはや国内外の共通問題になっています。
※右図は2009年の子どもの貧困率(15.7%)で国際比較している。
ABOUT CHILD ABUSE
身体的虐待 | 殴る、蹴る、叩く、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、溺れさせる、首を絞める、縄などにより一室に拘束する など |
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性的虐待 | 子どもへの性的行為、性的行為を見せる、性器を触る又は触らせる、ポルノグラフィの被写体にする など |
ネグレクト | 家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かない など |
心理的虐待 | 言葉による脅し、無視、きょうだい間での差別的扱い、子どもの目の前で家族に対して暴力をふるう(ドメスティック・バイオレンス:DV)、きょうだいに虐待行為を行う など |
児童虐待の増加等に伴い、児童虐待防止対策の一層の強化とともに、虐待を受けた子どもなどへの対応として、社会的養護の量・質ともに拡充が求められています。
社会的養護を必要とする児童においては、障害等のある児童が増加しており、児童養護施設において28.5%となっており4人に1人が障害等のある児童となります。昭和62年と比較し平成25年では約3倍以上の割合となっています。
※ADHD(注意欠陥多動性障害)については、平成15年より、広汎性発達障害およびLD(学習障害)については、平成20年より調査、それまではその他の心身障害へ含まれていた可能性があります。
日本では「child abuse-チャイルド・アビューズ-子ども虐待」と使っています。しかし、子育てに苦悩し、解決策が見つからず、わが子に手を挙げてしまうような保護者のことを考えると、「虐待」はきつい感じを受ける言葉です。チャイルド・アビューズは、子どもの濫用と訳すことができ、「虐待」とせずにもっと柔らかな表現にできなかったのかと疑問に思うところです。
専門家たちの間では「不適切な関わり-maltreatment-マルトリートメント」という言葉を使うのがいいのでは、という考え方もあります。虐待よりも広義で、家族外からの不適切な関わりも含む言葉とされています。しかし現状では、なかなかよい言葉が見つかりません。
心配されるのは、「虐待」という言葉を使うことにより、一生懸命に育児してきた日頃の努力を、すべて否定されたと保護者が感じてしまうかもしれないことです。迷っていること、困っていることについて「ひとつひとつを一緒に解決していきましょう」という気持ちで、周囲の人たちは接することが大切だと思います。しかしケースによっては、あなたがしていることは子どもへの虐待なのだ、と伝えることが気づきにつながることがあります。そして、子どもへの行為が沈静化することもあります。
児童相談所や保健師さんなどに専門的に相談に乗ってもらうこと、子ども虐待防止の電話相談に電話して話を聞いてもらうことなど、保護者自身も、地域の方々も、抱え込まずに誰かに相談するようにしましょう。
「児童虐待の防止等に関する法律」により、子ども虐待の定義は、身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待となりました。しかしこの定義が明らかになっても、なお、子ども虐待とはなんぞや、と考えさせられる場面があります。それは、虐待としつけの違いについてです。 虐待としつけ。この二者間には、しっかりと線引きできないグレイゾーンが存在します。が、多数の事例に関わってきた福祉、保健関係者や精神科医、小児科医などが言うように「子どもが耐え難い苦痛を感じることであれば、それは虐待である」と考えるべきだと思います。 保護者が子どものためだと考えていても、過剰な教育や厳しいしつけによって子どもの心や体の発達が阻害されるほどであれば、あくまで子どもの側に立って判断し、虐待と捉えるべきでしょう。 多くのケースでは、保護者が子育てに苦労されている現実がありますから、その気持ちを大事に考えることも大切です。
CASE OF CHILD ABUSE
児童虐待相談件数は年間10万件を超え、毎年100人前後の子どもが虐待により命を落としています。
これらの事例は、ほんの氷山の一角に過ぎません。