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【福祉新聞】平成30年1月11日
「里親委託」目標やんわり
新ビジョン受けた推進計画の議論持ち越し
厚生労働省は12月22日、
社会保障審議会児童部会の社会的養育専門委員会
(委員長=柏女霊峰・淑徳大教授)を開いた。
「新しい社会的養育ビジョン」を踏まえた
都道府県推進計画の見直し要領の骨子案を公表。
焦点だった里親委託率の数値目標は、
国の姿勢を示すにとどめる表現となった。
見直し要領は当初、年内にまとめる予定だったが、
年明けに再度会合を開いて決定する。
2016年の改正児童福祉法を具体化する「新しい社会的養育ビジョン」は、
原則、就学前の子どもの新規措置入所を停止することや、
7年以内に里親委託率を75%以上とすることなどが盛り込まれている。
これに児童養護施設の団体は反発。
都道府県が定める推進計画の見直し要領に、
厚労省が数値目標を入れるかどうかが注目されていた。
見直し要領の骨子案は
(1)代替養育を必要とする児童数の見込み
(2)里親、養子縁組、施設などの取り組み
(3)市区町村の子ども家庭支援体制の構築
などを記載するよう求めた。
地域の事情も踏まえて、見直し期間は18年度中とする。
具体的に、
里親委託については現行計画を上回る里親委託率の目標を設定するよう求めた。
新ビジョンが定めた数値目標は、国として早く実現したい姿勢を示すにとどまり、
原則新規措置入所停止も盛り込まれなかった。
ただ、里親委託に意欲的な目標を設定する都道府県には重点配分することを示唆した。
施設で養育可能な子ども数については、
包括的里親支援体制や里親委託ガイドラインを踏まえて算出するよう指摘。
今後、施設への在所期間の短縮も想定するよう求めている。
このほか、市区町村に対しては、子ども家庭総合支援拠点などの人材育成計画の策定を要望。
児童家庭支援センターは地域支援強化の一環として施設の標準装備とすることを検討する。
会合では、新ビジョンの検討会座長だった奥山眞紀子・国立成育医療研究センター部長が、
新ビジョン誕生までの経緯について説明した上で
「基本的考え方の中に、法律の順守や数値目標がないのは国会軽視だ」と猛烈に批判。
「推進計画で一番重要なのは、アウトカム指標とパラメーターをきちんと設定すること。
なければ未達成のときに分析できない」と語気を強めた。
桑原教修・全国児童養護施設協議会長は
「相変わらずふに落ちない。施設が隔離された特殊な空間と見られているなら議論は進まない」
と感想を述べた。
また虐待された子どもが多い中で里親委託を進めるなら手厚い支援体制が必要だと指摘。
「施設を社会資源としてうまく活用してほしい」と語った。
このほか自治体からは、
「計画に盛り込むことは実施責任を負うことであり、財源確保が必要」(大阪府)
「市区町村の体制構築など、都道府県だけでは調整できない。1年でやるのは厳しい」(高知県)
「意欲的な目標を設定すれば重点的に配分とあるが、地域の実情が違うのに競わせるのは適切でない」(東京都)
など、財源や期限についての意見が出た。