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ファミリーホーム賠償責任保険とは。(小規模住居型児童養育事業)

【ファミリーホーム賠償責任保険とは】

先月は、里親の皆さんのための「里親総合保険」についてご紹介しましたが、

ファミリーホームには適用されない…ということを最後にお伝えしました。

 

そこで、今回はファミリーホームのための

「ファミリーホーム賠償責任保険」についてもご紹介したいと思います。

 

この保険は「一般社団法人日本ファミリーホーム協議会」が対象の団体保険になり、

この協議会の会員になっているファミリーホームが加入することができます。

 

手続きの方法につきましては、

日本ファミリーホーム協議会から直接案内がきますので、

詳細についてはそちらを参照することになります。

 

ではここから保険の内容についてご紹介していきます。

 

 

【ファミリーホーム賠償責任保険にはどんな補償が含まれますか?】

ここでは、ファミリーホーム賠償責任保険の要点をまとめていきたいと思います。

前回の里親総合保険と比較しやすいようにまとめていきますので、

ぜひ参考にしてみてくださいね。

ちなみにこれは日本国内でのみ適用される保険になりますのでご注意ください。

 

 

【施設所有管理者への賠償責任保険】

これは簡単に言うと次の2点の補償になります。

(1)ファミリーホームでの業務遂行が原因で

  委託児童やその他の人にケガをさせてしまった場合の賠償補償

(2)責任能力がない委託児童(12歳未満)が原因で、

  ファミリーホーム管理者に賠償請求がなされた場合の補償

 

補償を受けられる人の範囲は

ファミリーホーム・養育者・補助者(養育者の補助をする人)になります。

 

例えばファミリーホーム側の不注意で委託児童がケガを

してしまったりした場合に(1)が適用になります。

 

また、12歳未満の委託児童が遊んでいて他の家の窓を割ってしまい、

その結果ファミリーホームに損害賠償請求された場合などには(2)が適用になります。

 

 

支払われる保険金の内容は以下の通りです。

・損害防止費用…損害の発生や拡大を防止した際に発生した費用

・緊急措置費用…ファミリーホームに責任がないことが明らかな場合でも、

        被害者に対する応急処置などの緊急の対応において支出した費用

・権利保全公使費用…ファミリーホームが第三者に損害賠償請求できる場合、

          その権利を保全・行使するための費用

・訴訟費用…ファミリーホームが保険会社の承認を得て支出した訴訟・弁護士報酬費用

・協力費用…ファミリーホームが問題解決のために保険会社に協力するために支出した費用

・損害賠償金…(1)身体賠償事故の場合は、治療費・医療費・慰謝料等
       (2)財物賠償事故の場合は、修理費・再調達に要する費用

・被害者対応費用…対人事故の場合は慣習として支出した見舞い品の購入費用、

         対物事故の場合は臨時に必要となった費用

・事故対応特別費用…損害賠償請求をされた場合、また損害賠償請求が発生する恐れがあることが分かった場合に、

          ファミリーホームが対処のために支出した費用

 

保険を使用する場合には保険会社に全ての費用(交通費なども)の領収証や記録を提示する必要がありますので、

すべて忘れないように保管しておくようにしましょう。

 

保険金額は対人・対物事故共に3億円(1事故当たり)になります。

ファミリーホームには1事故につき千円の自己負担金がかかります。

 

 

【生産物賠償責任保険】

これはファミリーホームが製造した物、または提供した飲食物などによって

委託児童や他の人が病気になったり、ケガをしたりしてしまった場合に

ファミリーホームが課せられる損害賠償を補償してくれる保険になります。

 

例えば養育者が調理した飲食物が原因で、

委託児童が食中毒になってしまった場合などに適用されます。

補償を受けられる人の範囲や、

支払われる保険の条件は上記「施設所有管理者への賠償責任保険」と全く同じになります。

 

 

【個人賠償責任の補償】

責任能力があるとみなされる12歳以上の委託児童が、

日常生活中に他人にケガをさせてしまったり、

買い物中に商品を壊してしまったりした場合に生じる法律上の損害賠償責任を補償してくれます。

 

委託児童全員が自動的に補償対象になりますので安心です。

 

例えば、

 

委託児童が自転車に乗っている際に歩行者と衝突し相手にケガを負わせてしまった場合や、

遊んでいて付近にある物や車を破損させてしまった場合などにその被害額が補償されます。

 

委託児童が12歳未満の場合や、責任能力が認められない場合には、

上記の「施設所有管理者への賠償責任保険」や「生産物賠償責任保険」が適用されます。

 

 

「個人賠償責任の補償」の保険金は1億円になります。

自己負担額はありません。

補償の内容は以下の通りです。

 

・損害賠償金…事故の相手に払う損害賠償金
・訴訟費用…訴訟・仲裁・和解・調停の際に要した費用や、弁護士報酬
・その他の費用…応急手当やその他緊急措置に要した費用

 

さらに委託児童の死亡・後遺傷害の場合にも、

場合に応じて上限100万円の保険金額が設定されています。

 

 

【保険料が支払われない場合とは】

●被保険者の故意や重大な過失により法令に違反した結果起きた損害や事故の賠償責任や、

 戦争や国内紛争、暴動などによる損害については補償されません。

 自然災害(地震・噴火・洪水・津波など)についても補償されません。

 ファミリーホーム設備の排水または排気(煙・上記)によって生じた賠償責任も対象外になります。

 

●原子核反応・石綿などの発がん性物質・汚染物質・医療行為や

 専門資格を要する業務に起因する損害賠償責任も対象外です。

 

●施設に関しては、新築・改築・修理・取り壊しなどに起因する賠償責任や、

 原動力が人力以外の車両(自動車や船舶、飛行機など)、昇降機に起因する賠償責任も補償されません。

 

●屋根、樋、扉、戸、窓、壁から入る雨や雪による財産の損壊に起因する賠償責任は補償されません。

 

主な理由は上記の通りですが、

他にも保険料が支払われないケースがたくさんあります。

 

特に個人で里親をしている場合よりも、

ファミリーホームを運営している場合の方が関わる人が多くなりますので補償を

受けられる人の範囲についても非常に細かく規定されています。

 

言い回しが非常に細かく、

ここで説明するのが難しいと判断しましたので割愛させていただきました。

 

詳細をお知りになりたい場合は、

日本ファミリーホーム協議会や損保ジャパン日本興亜まで

問い合わせていただければと思います。

 

 

【事故が発生した場合にはどんな手続きがいるの?】

事故が発生した場合には以下のおこなってください。

1. 被害者の応急手当や搬送などの緊急措置を行い、損害の発生および拡大の防止に努める

2. 事故発生の日時・場所・状況・被害者の住所や氏名・事故の証人がいる場合にはその人の住所や氏名などの情報を集める

3. それらの情報をまとめて、ファミリーホーム協議会まで「ファミリーホーム協議会 賠償責任保険 事故通知書」を送る

4. 損害賠償の請求を受けても、すぐに承認しない。損保ジャパン日本興亜の承認を待つ。示談交渉は勝手に行わない。

5. 保険の請求に当たっては、保険会社が求める書類を提出する

 

 

【まとめ】

里親とファミリーホームで必要とされる補償が似ているために、

基本的な保険内容も似ている部分が多くあります。

 

しかしファミリーホームは個人ではなく組織になりますので、

賠償責任保険の金額も大きくなっていますし、規約についても細かくなっています。

 

今回は手元に資料がなかったために

「平成29年度版のファミリーホーム賠償責任保険のご案内」を使いましたが、

 

現在の保険内容には変更が加えられている可能性があります。

詳細について確認する際には、

必ず一般社団法人日本ファミリーホーム協議会に

最新情報を確認するようにしてくださいね。

 

 

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