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千葉市子育て短期支援事業 ~世界一子育てが難しい国の保護者を守るために~

Zidonetです。

 

 

 

【世界一子育てが難しい国の保護者を守るために】

千葉市は現在「子育て短期支援事業」として、

子育て中の保護者の皆さんを助けるためのネットワークを整備しています。

 

なぜこの事業にそれほど注目が集まっているのでしょうか?

この記事で説明していきたいと思います。

 

でもその前に一つ質問があります。

 

皆さんは、日本が世界で一番子育てが難しい国だと

聞いたことがあるでしょうか?本当かどうかちょっと調べてみましょう。

 

一例として、今年、アメリカのAsher & Lyricという会社が

OECD(経済協力開発機構)に加盟している35カ国を対象として行った調査を見てみましょう。

 

その名も「子育てをしやすい国ランキング2020年

The Best Countries For Raising A Family In 2020)です。

 

日本の評価は以下の通りとなっています。

 

1.安全性:A-

2.幸福度:F

3.子育て費用:F

4.健康:D

5.教育:A

6.子どもと過ごす時間:F

 

このような結果となり、総合順位は35カ国中25位です。

 

これを高いとみるか低いとみるかは人それぞれだと思いますので、

参考までに付け加えさせてください。

 

日本と同じように、各項目の最低評価「F」3つ以上取っている国は

ワースト1位~5位の国しかありません。

 

つまりデータだけをみると、

“日本は、子どもには世界最高レベルの安全と教育が提供されており、

それなりの健康は維持できる国ではありますが、

それ以外では、世界最低レベルの子育て環境の国である”

ということになるかもしれません。

 

ここまで読んでこう思った方もいるかもしれません。

しかし、それだけで日本を「世界で一番子育てが難しい国」とは言えないのでは?

 

実は、データには現れない日本独自の難しい現状があることがわかってきています。

 

その内容を知っていただければ、今日ご紹介するZidonet本部がある

千葉市の取り組みの目的について、さらに理解を深めていただけると思いますので、

この記事で説明していきたいと思います。

 

 

【“世界一難しい”と感じさせる日本の子育環境】

なぜ、日本の子育て環境は“世界一難しい”と感じるのか。

結論から言いますと、

 

みんなで助け合って子育てをする“ネットワークがない”

ために日本の育児は難しいと感じると言われています。

これはどういうことなのでしょうか?

 

【子育てのためのネットワークの変化】

 

日本の育児環境の変化を説明するために、京都大学家族社会学教授の落合恵美子氏の

分析を使わせていただきたいと思います。同氏の説明では、

日本は1960年代には「親族ネットワーク」の中で子育てをしていました。

 

近所に親兄弟や親族がたくさん住んでいたからです。

その後、核家族化が進んできた1980年代になると縮小する親族ネットワークに代わり

 

「ご近所育児ネットワーク」が特に都市部を中心にして発達し、

近くに住む家族同士が協力して子育てするようになりました。

 

このようにして日本は、「高度経済成長期」や「バブル期」などで

お父さんたちが仕事で忙しく家事や育児に参加できなくても、

社会にこのようなネットワークがあったおかげで協力しあって子育てを乗り切ることができたのです。

 

しかし、だんだんとこれらのネットワークにもほころびが出てきます。

これらの子育てネットワークを失った母親たちが「ワンオペ育児」せざるをえなくなり、

「育児ノイローゼ」という言葉が聞かれるようになりました。

 

近所づきあいも複雑化してストレスが大きく、「公園デビュー」という以前は当たり前だったことにすら

難しさを感じるようになり、1999年には育児仲間であるはずの母親同士のトラブルにより

子どもが殺されてしまうという痛ましい事件も起きてしまうなど大きな問題として取り上げられました。

 

このようにして、日本は少子高齢化で小さくなった

「自分の家族と親族の中だけで子育てをするしかない」社会になってしまったのです。

 

さらに、日本は時々“福祉後進国”とも呼ばれるように、

社会における福祉事業の地位も重要性もあまり高くはありません。

 

子どもと一緒に外出すると、まだまだ

「子育てをする人たちは優先して助けられ、保護され、見守られるべきだという意識」

が少ないと感じざるをえません。

 

海外で子育てをしたことがある人たちから、

こんなに保護者が肩身のせまい思いをしながら子育てをしなければならない国も珍しい…

と思われてしまうこともしばしばあります。

 

もちろん、現在は働いている父親たちが、

以前よりも積極的に育児に参加するようになっているという素晴らしい変化もあります。

 

しかし、仕事のゆえにそうできない父親もたくさんいます。

会社組織がまだまだ子育てに優しい目を向けられていない現状も多々あります。

これが、日本を“世界一子育てが難しい国だ”と感じさせている一つの要因になると考えられています。

 

【千葉市の取り組み ~子育て短期支援事業~】

では、社会としてどのように子育てをしている保護者の皆さんを

助けることができるでしょうか?

その1つは、「子育てのためのネットワークを提供すること」ではないでしょうか。

 

保護者支援の事業は多岐に渡りますが、千葉市では育児を応援するための1つの方策として

子育て短期支援事業」に力を入れています。

↓↓↓

千葉市:子どもを預けたいときは(子育て短期支援事業) (city.chiba.jp)

 

これには、2つのサービス「ショートステイ(一時預かり)」と

「トワイライトステイ(夜間・休日預かり)」の提供が含まれています。

このサービスの目的は、千葉市のHPでこのように説明されています。

 

「保護者の方が入院や通院、出張や残業などの理由で、一時的に家庭でお子さんがみられなくなったときに、

お近くの児童養護施設、乳児院、母子生活支援施設でお子さんをお預かりする制度です。」(千葉市子育てナビHPより)

 

このようにして、千葉市に住んでいる保護者の方々は安心して

子どもを預けることができるネットワークを持つことができるのです。

 

【子どもたちをどこに預けることになるのか?】

子どもたちを預けることができるのは、

自宅の近所にある児童養護施設、母子生活支援施設、乳児院、などです。

 

近所にあって子どもたちもよく知っている人や場所で

子どもの面倒を見てもらえるというのは大きなメリットになります。

 

しかし、現状として、児童養護施設などでのショートステイの受け入れは

常に満室もしくは、職員配置の都合上受け入れ出来ない、などの状況が多くあります。

 

また、児童養護施設に自分の子どもを預けるには少し抵抗を感じる、と言った声も時折聞かれます。

 

近くにそのような施設がない場合や、受け入れてもらえる先がないなどの場合は、どのようにすれば良いのでしょうか。

 

国は現在、保育所やファミリーホーム、里親家庭でもショートステイの受け入れができるように推進していくことを

打ち出していますが、まだまだその体制は整備されていません。

子育て短期支援事業(ショートステイ)の体制整備は、子育て中の保護者のストレス緩和などにも大きく寄与します。

それは、間接的であるかも知れませんが、児童虐待の防止にも大きく影響を及ぼすものであるとZidonetでは考えています。

 

【まとめ】

今回は日本の育児の環境と、千葉市の取り組みについて説明してきました。

皆さんはどう思われたでしょうか?

 

子どもたちの福祉を考えるには、同時に保護者の福祉も考える必要があります。

そしてその中には十分な休息をとること、身体的・精神的サポートを得ることが含まれているに違いありません。

 

研究によると、そのようなサポートを感じれば感じるほど親は子どもと一緒にいる時にさらに育児に集中できるようになり、

しかも子どもがいない時にはしっかりリフレッシュできるそうです。

 

私たちも、日々の実践の中でこの「子育て短期支援事業」の重要性を強く感じています。

社会的養護を必要とする子どもたちのために、里親制度充実のための一助となる活動を継続的に進めていくと共に、

「里親制度」の枠にとらわれず、なぜ虐待が起こるのか、地域の中でどのような支援があれば課題を緩和することが出来るのか、

地域の子育て家庭の皆さんにとってあったら嬉しいサービスは何か、など今後も幅広い視野で、考えていきたいと思っています。

 

 

 

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