Zidonetブログ
ZIDONET BLOG
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Zidonetです。
このところ、コロナ禍の影響か、
Zidonetの「LINEオフィシャルアカウント(イベント告知用)」を通して、
おそらく中学・高校生くらいと思われる皆さんから
「虐待されている」
「虐待について知りたい(私がされているのは虐待か?)」
「相談先を教えてほしい」
といった相談が以前より多く寄せられます。
Zidonetでは相談窓口を設けていないため、
オフィシャルアカウントにてやり取りが可能な方には、
(ご要望により)虐待についての基礎的なこと等をお伝えした上で
専門の相談機関をご紹介させていただいていますが、
中には、こちらが連絡に気づき対応する前に
削除されている方もいます。
削除してもそこに残される「SOS」の痕跡を見て、
とても心苦しくなります。
どうか、1人で悩まずお近くの専門機関などに
ご相談ください。
■児童相談所虐待対応ダイヤル「189」
・「189」番にかけると、お近くの児童相談所につながります。
・通話は無料です。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/dial_189.html
児童虐待や社会的養護、里親制度について
不定期ではありますが、改めて一般の方へ向けて
記事を書いてみたいと思います。
乱文は、ご容赦ください。
【日本における児童虐待の現状】
児童虐待が日本でどれほどおきているか知っていますか?
令和2年に入ってからたったの5か月で8万件を超える
児童虐待に関する相談が全国の児童相談所へ寄せられています。
これは、1日あたり500件を超える件数です。
少しイメージしてみてください。
現在、毎日コロナウィルスの感染者数が200人を
超えた、下回ったとニュースになっています。
今夏にはパンデミックなどと大きく報道がなされ、
全国的な外出自粛要請が現実のものとなりました。
それと同等もしくはそれよりもはるかに多い数の
虐待相談が毎日寄せられていることになります。
(このコロナ禍、家にいる時間が長くなったことで、
閉鎖的な家庭空間で虐待が増えていることも、
また違った側面の事実です)
改めて厚生労働省が発表している数値を見てみると、
全国の児童相談所に寄せられる年間児童虐待相談件数は約16万件、
虐待等を理由に一時保護が必要となる事例は約2万5千件に上ります。
児童虐待により子どもが死亡するという
事件の報道を連日のように見聞きし、
皆さんも心を痛めているのではないでしょうか。
今回は、私たちにとって無関係とは言えない
「児童虐待」について、改めて一緒に考えてみたいと思います。
【児童虐待について知りましょう】
では最初に児童虐待とは何かを
考えていきたいと思います。
【虐待とは?】
厚生労働省によると、
児童虐待は以下のように分類されています。
1.身体的虐待
子どもに大なり小なり暴力をふるったり、
危害を加えたり、拘束したりする行為の事を言います。
2.性的虐待
子どもへの性的な行為全般を言います。
直接の性行為または性的な部分や行為や場面を見せること、
児童ポルノの被写体にする事などです。
3.ネグレクト
最近ニュースでもよく取り上げられますが、
子どもを家や車に閉じ込めたままにし、
清潔で安全な衣食住を与えなかったり、
重い病気になっても放置しておくことなどがこれにあたります。
4.心理的虐待
言葉の暴力などによって子どもの精神に傷を負わせる行為です。
脅しや無視、他の子どもと差別することや、
子どもに他の家族に対する暴力を見せて
コントロールしようとする行為などがあります。
この虐待の分類を見ると、
子どもに対する残虐な行為だけを
イメージするかもしれませんが、
実際の児童虐待の範囲はもう少し広くなります。
例えば児童虐待を英語にすると
“Child abuse(チャイルドアビューズ)”になり、
イメージとしては大人が子どもに対して
「力を誤って使ったり、濫用したりする」
という意味になります。
親は確実に子どもよりも力があるので、
それをどのように使うかによって
知らず知らずのうちに虐待をしてしまっていた…
というケースもあり得るのです。
家族としての健全な機能が失われる事の多い現代では、
虐待という悲しい現実に苦しむ人もまた多いと言えます。
【なぜ虐待が起きるのか?】
では次になぜ虐待が起きてしまうのかについて考えましょう。
虐待の原因は家庭によって千差万別ではありますが、
一般的な所ではストレスや経済的な問題、
親子が社会的に孤立している事などが
引き金になる事が多いようです。
虐待をしている親自身も
どうしようもない寂しさや不安やを抱えており、
自分のしている事について悩み、
苦しんでいる場合も少なくないのです。
児童虐待が起きている時には、
虐待されている子どもだけでなく、
虐待をしている親にも適切で温かい助けが必要なのです。
【虐待は「依存症」という側面】
実際にここ10年ほど、子どもの虐待は「依存症」、
つまり一種の「脳の病気」であるとの前提で
解決のための指導が行われているとも言われます。
「依存症」になると自分の行動を
自分の意志では制御できなくなります。
時々「意志が弱いからやめられないんだ」
「気合を入れて頑張れば何とかなる!」
と言う人もいるようですが、
そうした努力でコントロールできるものばかりではありません。
これは「癌になっても気合があれば自分で治せる!」と
言っているのと同じようなものかも知れません。
癌になったらみんな病院に行きます。
話が飛躍したでしょうか。
「依存症」と言ってイメージしやすい
「アルコール依存症」や「ギャンブル中毒」なども、
今では医師や専門家による治療が行われることが主流です。
この「虐待」つまり「暴力や力によって相手を支配する行為への依存症」も
医師や専門家の助けがないと治らない場合があります。
【無関心や怠慢という名の虐待】
虐待の中でも少し特殊なのは、
ネグレクトと呼ばれる虐待です。
最近でも何度かニュースで聞いたと思いますが、
子どもを何日も(または何週間も)家に置いたまま
出かけて子どもを死なせてしまった、
親がパチンコをしている間に
子どもは車の中で熱中症になり死んでしまった…
というような事例は後を絶ちません。
その他、ネグレクトの具体例としては、
家に閉じ込めて学校に行かせない、
病気になっても病院に連れて行かない、
乳幼児を車の中に放置しておく、
子どもに無関心で必要な愛情や世話を与えない、
子どもが他の大人からの虐待を受けているにも関わらず
それを放置する事などが上げられます。
つまり、
子どもが安全に生きていくために、
または成長するために必要なものや環境を与えないことは
ネグレクトという事ができます。
そして、このネグレクトにも2種類あります。
まず積極的に行うネグレクトとも言える、
明確な理由がないのに育児を放棄するケースです。
そして、
次に消極的に行うネグレクトと呼ぶ事もできる、
親が経済的な問題・病気・障害・精神疾患を抱えているがゆえに
育児を行う事が出来ないケースも考えらます。
またこのケースには親自身が子育てに関する
知識がないという場合も含まれます。
そう考えると、
この虐待の背後には多くの社会的な
問題が隠れている事が分かります。
【まとめ】
今回の記事では児童虐待は何か、
どうして起きるのかについて簡単に考えてきました。
まずは私たちがこの問題について知る事は本当に重要です。
知らなければ何のアクションも起こせないからです。
しかし知識があれば、
もし自分の周りの親子が苦しんでいる時に何かできるかもしれません。
大きな事はできなくても、少なくとも理解してあげる事はできます。
子ども自身が「今のつらい状況には耐えるしかないのか?」
と思った時に、自ら一歩行動を起こせるかも知れません。
NPO法人全国児童福祉支援ネットワーク(Zidonet)