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認定NPO法人Living in Peace「こどもフォーラム2017」

Zidonetです。

平成29年11月19日、

認定NPO法人Living in Peace主催「こどもフォーラム2017」

新しい社会的養護のビジョン~変わるもの、変わらないもの~

近年の日本における社会的養護を語る上でマイルストーンとなる

2011年7月「社会的養護の課題と将来像

2016年  「児童福祉法改正

そして、

原則3歳未満の乳幼児は5年以内に里親委託75%、

乳児院・児童養護施設の高機能化・短期化(機能転換)などが示され

各関係機関に衝撃が走った

2017年8月「新しい社会的養育ビジョン

社会的養護の課題と将来像」は実務を示し、

新しい社会的養育ビジョン」は理念を示すと言える。

「部分(実務)」をいくら集めても「全体(理念)」にはならない。

バラバラに解釈するのではなく、各機関が共通認識としての全体像を理解し、

社会的養護を推進するためのビジョン。

数値目標は、行政自治体や各関係機関への起爆剤。

社会的養護の課題と将来像」が示されたその後、

里親委託率は全国平均で、年1%ずつ上昇する程度であり、

このままでは目標年までに24%までしか増えない計算となる。(目標値は約33%)

また、この目標値を達成するためには、

年間2,000人程度の里親が増え続けないとならない。

現在、全国で里親登録している人は約10,000人。

そのうち実際に子どもを養育している人は4,000人程度。

6,000人は待機里親となる。

厳しい目標値設定に近づき、数値だけではなくその実態を充実したものに

するため、課題は山積している。

今後は、「新しい養育ビジョン」を基に、

各自治体の現状・課題、1つ1つの事例に基づいた丁寧な実践をしていくこととなる。

子どもの社会的養護は、児童相談所や施設、里親に任せておく時代は終わり、

つながり、連携しあい、地域で子育てをする体系の整備が必要となる。

現在、厚生労働省ではビジョンの自治体への落とし込むための作業を進めている。

第1部「制度」

第2部「現場」

第3部「意見交換」

   「私たちにできること」

慎泰俊(NPO法人Living in Peace 理事長)

山口公一(社会福祉法人筑波会 理事長)

中里晋三(NPO法人Living in Peace 副理事長)

奥山眞紀子(国立成育医療研究センター こころの診療部 部長)

藤野興一(社会福祉法人鳥取こども学園 理事長)

山本麻里(厚生労働省 子ども家庭局審議官)

上栗哲男(社会福祉法人広島新生学園 園長 理事長)

鈴木聡(三重県児童相談センター 所長)

ロング朋子(一般財団法人ベアホープ 代表理事、里親)

脱施設・里親制度移行の強行とも取れるビジョンに、

全国児童福祉施設協議会などでも今後の施設の在り方について多くの意見が

出されたようだが、1つ言えることは、このビジョンが提示されなかったなら、

そうした議論が巻き起こることもなく、世間を巻き込んだ議論が交わされる

機会も生まれなかった、ということ。

会場には、ジャーナリスト、ライター、施設関係者、里親、学生、企業など

200名を超える参加者が集まっていた。その中で、施設職員(管理者)から、

「施設をつぶすつもりですか」

「施設・里親・GHへの措置3分の1案を施設側が頑張って無きものにしたから良いものの…」

といった新しいビジョンへ否定的な意見も出され、

「施設」か「里親」か、と言った議論で停滞している現状も見て取れ、

各機関が本当の意味で連携・協力して進むことの難しさも垣間見えた。

もう少し身近で、気軽にできる支援はないか?の質問に対し、

現在、全国的に「子育て支援員」制度が進められていることの紹介がされた。

これは保育園等の人材不足解消の一手としての側面から始まったが、

その中に「社会的養護コース」というものも設定されている。

これは、行政によっては実施されていない。

保育園関係者は知っているが社会的養護関係者は知らない、

社会的養護関係者は知っているが、保育園関係者は知らない。

行政の内部構造1つにしても、

保育部門と社会的養護部門等がより近くなることで可能となる支援もある。

制度や資源を知り、里親や施設といった大掛かりで敷居の高いものではなく、

社会的養護を地域の中でより身近に感じ、「週末里親」など自分たちが

「できること」から実践できる環境が整備されれば、より社会的養護が身近になる。

私たちの最終目的は、「社会的養護」という言葉がなくなり、

当たり前のように地域で子どもたちを見守る社会ができること。

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