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~里親月間・児童虐待防止推進月間~
【目次】
里親として社会的養護に参加するために必要な3つのこととは?
・里親としての責任感と信頼感
・児童相談所との良いコミュニケ―ション
・チームで子育てするための里親互助ネットワーク
・まとめ
【概要】
毎年10月は「里親月間」。
毎年11月は「児童虐待防止推進月間」です。
私たちZidonetも社会の中での里親の役割を皆さんに知ってもらうため、
10月、11月と、千葉市きぼーるにて
「社会的養護・里親制度について知ろう!パネル展示」
「児童虐待・社会的養護について知ろう!パネル展示」
を行わせていただきました。
嬉しいことに、全国各団体の取り組みにより、
里親になりたいという人は年々増えてきています。
例えば2000年には里親登録者数は約7400件、
委託児童数は約2000人だったのが、
2019年には里親登録者数が約1万2000件、
委託児童数は約5400人にまで増加しています。
しかし、
現在色々な事情で実親と一緒に暮らしていない子どもは、
全国に4万5000人以上いると言われています。
ですからまだまだ「里親が足りない」のが現状なのです。
【里親として社会的養護に参加するために必要な3つのこととは?】
さらに現実的な話があります。
それは「里親として登録すれば、すぐに子どもを委託されるわけではない』ということです。
先ほどご紹介した里親登録者数と、委託児童数を比べてみましょう。
2019年に里親として登録している世帯は1万1730世帯あったのに対し、
子どもが委託されているのはその中の4245世帯だけでした。
つまり全体の36%ほどの世帯しか委託されていないということになります。
これはなぜなのでしょうか?
もちろん理由は一つではありません。
ですから今回の記事ではその内の一つ、
子どもが委託されるための必要について、
3つのポイントにわけてご紹介していきたいと思います。
【里親としての責任感と信頼感】
里親としてまず大切なのは、
人ひとりの人生に関わる養育を引き受けるという「責任感」と、
社会の窓口として働くために必要な社会からの「信頼感」です。
もちろん里親に登録している方、
全ては「責任感」を持っていらっしゃるに違いありません。
しかし社会(里親制度の場合は主にそれを代表する児童相談所)に対して
「信頼」に値することを証明するためには、
どうしても「目にも見えるモノ」が必要になります。
つまり児童相談所が定める一定の資格や基準、
条件をクリアすることが必要になるのです。
残念ながら全ての里親登録世帯がその基準をクリアし、
児童相談所からの「信頼感」を得られるわけではないのが現状です。
これは里親世帯だけの問題ではなく、社会全体の課題でもあります。
この「信頼感」を得られるかどうかというのが、
里親として社会的養護に参加するための最初のステップと言えるでしょう。
【児童相談所とのよいコミュニケ―ション】
では、どのように児童相談所からの信頼を得ることができるのでしょうか?
一つの方法は児童相談所の担当者様と良くコミュニケーションをとることです。
里親制度は子どもを養育したい人のための制度ではありません。
養育者が必要な子どもたちのための制度です。
ですから子育てへの意気込みに自分勝手な期待やこだわり、
思い込みなどが入り込まないように注意し、
今助けを必要としている子どもたちにとって
必要な養育者としての態度を培うことが重要になるのです。
積極的に児童相談所とコミュニケーションをとれば、
必要なことを教えてもらうことができますし、
担当者の方に自分がどんな人間なのかを知ってもらい、
さらに信頼してことも可能になります。
【チームで子育てするための里親互助ネットワーク】
最後に里親として必要なポイントは、
児童相談所以外に助けを求めることができる互助ネットワークを持っていることです。
何度もご紹介している通り、児童相談所の仕事は激務です。
仕事量に対して十分な人員がいないという社会的実情がありますので、
里親世帯に助けが必要な時にいつでも十分なサポートを提供できるとは限りません。
さらに子育てにおいて緊急の助けが必要なるのは、
夜間や土日祝日のような公的機関が開いていない時間帯が多いという意見も多く聞かれています。
残念ながら児童相談所とのネットワークだけでは不十分と感じざるを得ません。
私たちZidonetは千葉市を中心に里親の皆さんや
地域の互助ネットワークを作るために日夜努力しています。
自分だけで疑問や心配を抱え込まずに、まずは私たちにご連絡ください。
一緒に里親になるためにはどうすれば良いのかを考えていきましょう。
もちろん、上記のように説明はしていますが…
私たち自身、適切な養育を子どもたちにできているか、
地域と適切な関わり、つながりを持てているか、
自問自答する毎日です。
日々、児童相談所、関連団体、地域の方々に助けてもらいながら
子どもたちと過ごしています。
ぜひ、そんなお話もざっくばらんにできれば嬉しいです。
【まとめ】
今回は社会的養護の役割を果たすために里親に何が求められるか、
3つのポイントをご紹介してきました。
同じ子どもは一人もいません。
ですから親として、または里親として何人子どもを育てた経験があっても、
出会った子どもたちとは常に一期一会。
一人の「人」の人生と幸せに深く関ることができるというのは、
里親制度に参加する醍醐味でもあります。
私たちと一緒に社会的養護・里親制度について、
考えてみませんか?
徳久