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【里親制度とは・里親になるには】
里親制度は、児童福祉法第27条第1項第3号に規定に基づき、
児童相談所が「要保護児童」の養育を委託する制度であり、
以下のような推進を図ってきた。
■平成14年度:親族里親、専門里親を創設
■平成20年児童福祉法改正:「養育里親」と「養子縁組を希望する里親」とを制度上区分
■平成21年度:養育里親と専門里親について研修を義務化
■平成29年度:里親の新規開拓から委託児童の自立支援までの一貫した里親支援を
都道府県(児童相談所)の業務として位置付けるとともに、
養子縁組里親を法定化し、研修を義務化
※児童福祉法第27条第1項第3号とは
・以下のように記載されている(要約)。
(要保護児童がいた場合は、)児童を小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)を行う者
若しくは里親等に委託すること。と記載されている。
※要保護児童とは、
①保護者に監護させることが不適当であると認められる児童
・被虐待児童・・非行児童など
・保護者が虐待している児童
・保護者の著しい無理解または無関心のため放任されている児童
・保護者の労働又は疾病などのため必要な監護を受けることのできない児童
・知的障害又は肢体不自由等の児童で保護者のもとにあっては、十分な監護が行われないため
専門の児童福祉施設に入所して保護・訓練・治療した方がよいと認められる児童
・不良行為(犯罪行為含む)をなし、またはなす恐れのある児童
②保護者のない児童(現に監護監督している者がいない児童)
・孤児、保護者に遺棄された児童、保護者が長期拘束中の児童、家出した児童など
【里親の種類】※データは平成30年10月現在
養育里親
■養子縁組を目的とせずに要保護児童を預かって養育する里親です。
基本的には、児童が実親の元で暮らすことができるようになるまでとなりますが、
期間はまちまちで、長い場合は成人になるまで委託を続けるケースもあります。
数週間や1年以内など短期間委託するなど、ニーズに応じた多様な里親委託ができます。
施設で育つ子どもたちにとっては、社会に出る前に一般家庭での生活を経験することはとても重要な機会ですので、
児童養護施設等から里親委託となるケースもあります。
■対象児童:要保護児童
■登録里親数:9,073世帯
■委託里親数:3,180世帯
■委託児童数:3,943人
■委託上限:児童4人まで(実施等を含め6人まで)
■支給される手当等
・里親手当 :月額86,000円(2人目以降43,000円)
・一般生活費:乳児58,570円/乳児以外50,800円
・その他(教育費、入進学支度金、就職支度金、医療費等)
専門里親
■虐待された児童や非行等の問題を有する児童、及び身体障害児や知的障害児など、
一定の専門的ケアを必要とする児童を養育する里親です。家庭への復帰や家族再統合、
自立支援などを目的としています。専門里親は、養育里親よりも難しい養育であるので、
専門的な研修を受けることが必要です。
■対象児童:次に掲げる要保護児童のうち、都道府県知事がその養育に関し特に支援が必要と認めたもの
①児童虐待等の行為により心身に有害な影響を受けた児童
②非行等の問題を有する児童
③身体障害、知的障害又は精神障害のある児童
■登録里親数:689世帯
■委託里親数:167世帯
■委託児童数:202人
■委託上限:2人まで
■支給される手当等
・里親手当:月額137,000円(2人目以降94,000円)
・一般生活費:乳児58,570円/乳児以外50,800円
・その他(教育費、入進学支度金、就職支度金、医療費等)
養子縁組里親
■養子縁組によって、子どもと法的な親子関係を結ぶことを前提として養育する里親
■要保護児童
■登録里親数:3,798世帯
■委託里親数:309世帯
■委託児童数:301人
親族里親
■対象児童:要保護児童(以下の条件に該当する者)
・当該親族里親に不要義務のある児童
・児童の両親その他当該児童を現に監護する者が死亡、行方不明、拘禁、入院等の
状態となったことによりこれらの者により養育が期待できないこと
■登録里親数:526世帯
■委託里親数:513世帯
■委託児童数:744人
季節・週末里親
■正月休みや長期休み、週末などに数日~1週間程度子どもを家に迎える里親
【里親登録(認定)の要件】
1 要保護児童の養育について理解及び熱意並びに児童に対する豊かな愛情を有していること
2 経済的に困窮していないこと(親族里親は除く)
3 里親本人またはその同居人が次の欠格事由に該当していないこと
・成年被後見人または被保佐人(同居人にあっては除く)
・禁錮以上の刑に処せられ、そに執行を終わり、または執行を受けることがなくなるまでの者
・児童福祉法等、福祉関係法律の規定により罰金の刑に処され、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなるまでの者
・児童虐待または被措置児童等虐待を行った者その他児童の福祉に関し著しく不適当な行為をした者
上記に加え、
養育里親…養育里親研修を修了していること。
年齢に一律の上限は設けない。養育可能な年齢であるかどうかを判断。
都道府県児童福祉審議会の意見聴取を経て、里親名簿への登録。
5年ごとの登録更新(更新研修の受講)
専門里親…専門里親研修を修了していること。
次の要件のいずれかに該当すること。
・養育里親として3年以上の委託児童の養育の経験を有すること。
・3年以上児童福祉事業に従事した者であって、都道府県知事が適当と認めた者であること。
・都道府県知事が上記2つに該当する者と同等以上の能力を有すると認めた者であること。
都道府県児童福祉審議会の意見聴取を経て、里親名簿への登録。
2年ごとの登録更新(更新研修の受講)
養子縁組里親…養子縁組里親研修を修了していること。
※一定の年齢に達していることや、夫婦共働きであること、特定の疾病に罹患した経験が
あることだけをもって解除しない。子どもの成長の過程に応じて必要な気力、体力、
経済力等が求められることなど、里親希望者と先の見通しを具体的に話し合いながら検討。
5年ごとの登録更新(更新研修の受講)
親族里親…要保護児童の扶養義務者及びその配偶者である親族であること。
要保護児童の両親等が死亡、行方不明、拘禁、疾病による入院等の状態になったことにより、
これらの者による養育が期待できない要保護児童の養育を希望する者であること。
都道府県児童福祉審議会の意見聴取を経て、親族里親の認定。
【養育里親の里親研修と登録の流れ】
講演会・説明会の実施
↓
里親希望
↓
児童相談所・里親支援機関によるガイダンス
【児童相談所に対して登録申請】
↓
基礎研修・実習/登録前研修・実習
【家庭訪問・調査】
↓
修了証
【児童福祉審議会から意見聴取】
↓
登録
↓
子どもとの引き合わせ
受け入れ準備
↓
里親委託
【研修の主な内容】
※研修の実施機関は都道府県(法人・NPO等に委託可)
基礎研修
■社会的養護における里親制度の意義と役割を理解する。
■今日の要保護児童とその状況を理解する。(虐待・障害・実親がいる等)
■里親にもとめられるものを共有する(グループ討議)
・里親制度の基礎
・保護を要する子どもの理解について
・地域における子育て支援サービス
・先輩里親の体験談・グループ討議
・実習
認定前研修
■社会的養護の担い手である里親として、子どもの養育を行うために
必要な知識と子どもの状況に応じた養育技術を身につける。
・里親制度の基礎
・里親養育の基本
・子どもの心
・子どもの身体
・関係機関との連携
・里親養育上の様々な課題
・児童の権利擁護と事故防止
【里親等委託率の推移】
■里親制度は、家庭的な環境のもとで子どもの愛着関係を形成し、養育を行うことができる制度
■里親等委託率:平成18年3月末【9.5%】→平成29年3月末【18.3%】
■里親委託率は、自治体間の格差が大きい。
・全国:18.3%
・最小:8.3%
・最大:51.1%
【里親申込の動機】
1位 43.5% 児童福祉への理解から
2位 30.7% 子どもを育てたいから
3位 12.5% 養子を得たいため
4位 12.3% その他
不詳 1.0%
【里親の年齢(里母)】
30歳未満 0.7%
30~39歳 7.2%
40~49歳 29.0%
50~59歳 33.1%
60歳以上 27.8%
【里親家庭の年間所得】
里親登録家庭の平均所得は、一般家庭より若干、多くなっている。
里親家庭:591.8万円(3,481世帯平均)
(参考)一般家庭:537.2万円(50,112世帯平均)
【里親家庭の住宅所有状況】
自家:一戸建て(72.8%)
集合住宅(7.4%)
借家:一戸建て(5.4%)
集合住宅(7.8%)
公営住宅(3.2%)
その他
【里親家庭の就業状況】
■夫婦世帯(87.4%)
■ひとり親世帯(12.6%)
・共働き(38.9%)
・一方が働いている(42.5%)
・どちらも働いていない(6.0%)
・働いている(7.7%)
・働いていない(4.8%)