へっぽこ里親日記

FOSTER CARE

社会的養護の原理。

【へっぽこ】

 

社会的養護の原理(支援の考え方)

 

社会的養護は、これを必要とする子どもと家庭を支援して、

子どもを健やかに育成するため、上記の基本理念の下、

次のような考え方で支援を行う。

 

①家庭的養護と個別化
すべての子どもは、適切な養育環境で、安心して自分をゆだねられる

養育者によって、一人一人の個別的な状況が十分に考慮されながら、

養育されるべきである。

 

一人一人の子どもが愛され大切にされていると感じることができ、

子どもの育ちが守られ、将来に希望が持てる生活の保障が必要である。

 

社会的養護を必要とする子どもたちに「あたりまえの生活」を保障

していくことが重要であり、社会的養護を地域から切り離して行ったり、

子どもの生活の場を大規模な施設養護としてしまうのではなく、

できるだけ家庭あるいは家庭的な環境で養育する「家庭的養護」と、

個々の子どもの育みを丁寧にきめ細かく進めていく「個別化」が必要である。

 

 

②発達の保障と自立支援
子ども期のすべては、その年齢に応じた発達の課題を持ち、

その後の成人期の人生に向けた準備の期間でもある。

社会的養護は、未来の人生を作り出す基礎となるよう、

子ども期の健全な心身の発達の保障を目指して行われる。

 

特に、人生の基礎となる乳幼児期では、愛着関係や基本的な

信頼関係の形成が重要である。

子どもは、愛着関係や基本的な信頼関係を基盤にして、

自分や他者の存在を受け入れていくことができるようになる。

自立に向けた生きる力の獲得も、健やかな身体的、精神的及び

社会的発達も、こうした基盤があって可能となる。

 

子どもの自立や自己実現を目指して、子どもの主体的な活動を

大切にするとともに、様々な生活体験などを通して、自立した

社会生活に必要な基礎的な力を形成していくことが必要である。

 

 

③回復をめざした支援
社会的養護を必要とする子どもには、その子どもに応じた成長や

発達を支える支援だけでなく、被虐待体験や分離体験などによる

悪影響からの癒しや回復をめざした専門的ケアや心理的ケアなどの

治療的な支援も必要となる。

 

近年増加している被虐待児童や不適切な養育環境で過ごしてきた

子どもたちは、被虐待体験だけでなく、家族や親族、友達、近所の住人、

保育士や教師など地域で慣れ親しんだ人々との分離なども経験しており、

心の傷や深刻な生きづらさを抱えている。

さらに、情緒や行動、自己認知・対人認知などでも深刻なダメージを

受けていることも少なくない。

 

こうした子どもたちが、安心感を持てる場所で、大切にされる体験を

積み重ね、信頼関係や自己肯定感(自尊心)を取り戻していけるよう

にしていくことが必要である。

 

 

④家族との連携・協働
保護者の不在、養育困難、さらには不適切な養育や虐待など、

「安心して自分をゆだねられる保護者」がいない子どもたちがいる。

また子どもを適切に養育することができず、悩みを抱えている親がいる。

 

 

さらに配偶者等による暴力(DV)などによって「適切な養育環境」を

保てず、困難な状況におかれている親子がいる。

 

社会的養護は、こうした子どもや親の問題状況の解決や緩和をめざして、

それに的確に対応するため、親と共に、親を支えながら、あるいは

親に代わって、子どもの発達や養育を保障していく包括的な取り組みである。

 

 

⑤継続的支援と連携アプローチ
社会的養護は、その始まりからアフターケアまで継続した支援と、

できる限り特定の養育者による一貫性のある養育が望まれる。

 

児童相談所等の行政機関、各種の施設、里親等の様々な社会的養護の担い手が、

それぞれの専門性を発揮しながら、巧みに連携し合って、一人一人の子どもの

社会的自立や親子の支援を目指していく社会的養護の連携アプローチが求められる。

 

社会的養護の担い手は、同時に複数で連携して支援に取り組んだり、

支援を引き継いだり、あるいは元の支援主体が後々までかかわりを持つなど、

それぞれの機能を有効に補い合い、重層的な連携を強化することによって、

支援の一貫性・継続性・連続性というトータルなプロセスを確保していくことが求められる。

 

社会的養護における養育は、「人とのかかわりをもとにした営み」である。

子どもが歩んできた過去と現在、そして将来をより良くつなぐために、

一人一人の子どもに用意される社会的養護の過程は、「つながりのある道すじ」

として子ども自身にも理解されるようなものであることが必要である。

 

 

⑥ライフサイクルを見通した支援
社会的養護の下で育った子どもたちが社会に出てからの暮らしを見通した

支援を行うとともに、入所や委託を終えた後も長くかかわりを持ち続け、

帰属意識を持つことができる存在になっていくことが重要である。

 

社会的養護には、育てられる側であった子どもが親となり、

今度は子どもを育てる側になっていくという世代を繋いで繰り返されていく

子育てのサイクルへの支援が求められる。

虐待や貧困の世代間連鎖を断ち切っていけるような支援が求められている。

 

 

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